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無償サンプルと有償品が混在する場合のINVOICE(インボイス)の書き方

更新日:2023年12月4日

無償サンプルと有償の商品を一緒に送る場合、インボイスをどのように書くのか迷われるのではないかと思います。

ここでは2通りの用意の仕方を紹介します。


最初に問題点を少し整理をしまして、その後に実際の書き方の説明に入ります。


目次


問題点の整理


大事なこととして、税関へ申告する際は(フォワーダーさんへ提出する際は)全ての価格を記載し、総額を表記した方が良いです。

一方で、取引の観点からはお客様にとっては有償品のみの金額を知りたいわけですから、総額を書いてしまうとわかりにくくなり、さらに経理上の処理としてもやりにくいことと思います。


つまり、それぞれの要請は下記のようになりますね。


 ●税関から求められること=全ての価格を申告しなさい

 ●客先から求められること=有償品の価格のみ表記しなさい


板挟みですね。

双方の要請に応える方法として、次に2通りの方法を紹介します。

 

インボイスの書き方(作り方)


2通りというのは具体的には1枚のインボイスで完結する方法と、2種類(2枚)用意する方法になります。


【1】1枚のインボイを2段に分けて記載する

【2】2種類のインボイスを用意する


順番に確認していきましょう。

 

【1】1枚のインボイスを2段に分けて記載する


インボイスの内容品記載欄を上段と下段に分けて記載します。

例えば上段を有償品に、下段を無償品とします。


(上段)

Leaflet A USD 100.00

Leaflet B USD 50.00

----------------------------

Sub total: USD 150.00


(下段)

***No Commercial Value***

Leaflet C USD 50.00

---------------------------

Sub total: USD 50.00

(N.C.V.)

===================

Amount USD 200.00


Amount(総額)には有償品と無償品の合計金額を入れますので、多少なりとも紛らわしさは否めません。

ただ、貿易取引に慣れていればそれほど問題にはならないのではないかと思います。


見本はこのような感じになります。


 

【2】2種類のインボイスを用意する


2種類のインボイスとは、(1)請求用インボイスと(2)通関用インボイスになります。


(1)請求用インボイスは、客先にのみ提出します。

客先に請求用として提出するものですので、無償品を USD0.00 と記載してOKです。

タイトルは「INVOICE」とします。


INVOICE


Leaflet A USD 100.00

Leaflet B USD 50.00

Leaflet C USD 0.00

---------------------------

Amount: USD 150.00


(2)通関用インボイスは、フォワーダーさんへ提出し、申告にのみ使います。

通関用としてタイトルを「DELIVERY INVOICE」や「CUSTOMS INVOICE」としましょう。


DELIVERY INVOICE


Leaflet A USD 100.00

Leaflet B USD 50.00

Leaflet C USD 50.00

---------------------------

Amount: USD 200.00


このように客先へ提出する「INVOICE」と税関申告用に「DELIVERY INVOICE」(あるいはCUSTOMS INVOICE)を用意することで、請求と申告の問題をクリアできることになります。


1枚のインボイスにまとめるのか、あるいは2種類のインボイスを用意するのかは会社のルールや取引先の要請によるところが大きく、指示があればそれに従うのがよろしいかと思います。

 

関連記事


最後にご説明した「通関用インボイス」の詳しい書き方については下記記事もご参考になるかと思います。

【無償の商品サンプルの申告について/考え方とインボイスの書き方を解説】


お読みいただきありがとうございました。


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※本記事は旧ブログから移転し、加筆修正しました。

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