輸送方法には複数の選択肢があります。どの輸送方法が最適であるのか、業者さんに相談・依頼する前に当事者として、ある程度理解を深めるとより良い輸送方法を選択できるのではないかと思います。
本記事では輸送方法を使い分けるための目安となる情報をご紹介します。
1.EMS(日本郵便)
少量のサンプルの品の輸送には最も安く手軽なEMSを利用するケースが多いと思います。EMSは各国の郵便事業者が連携して国際速達郵便サービスを提供しており、日本では日本郵便が担っています。
留意点としては、サービス品質が各国の郵便局によって異なるため、配達物を紛失されたりすることがあり得なくないことです。そのため、商品の輸送にはあまり適していないと考える企業が多いようです。
2.国際宅配便サービス
国際宅配便の有名なところではFEDEXやDHLかと思います。小口の貨物の輸送に適しています。サンプルではなく小さい物量の商品を送るときなどは国際宅配便が良いでしょう。
国際宅配便の利用には直接業者さんと契約する方法のほか、Third partyといって国際物流専門の会社を通して利用する方法があります。
サードパーティー輸送の良いところはコストメリットにあります。サードパーティー事業者は複数の企業の貨物をまとめて大きな1つの貨物として宅配業者を利用しますので、物量に見合った低い運賃が適用されています。
荷主が直で宅配業者に依頼するよりも、サードパーティー事業者を利用する方が輸送コストを抑えることができるのです。
3.航空輸送(AIR)
貨物の量が増えてきた場合は宅配サービスより通常の航空輸送(AIR)の方を検討しましょう。直接来社してくれそうな場所に事務所を構えているフォワーダー(国際複合一貫輸送事業者)を探して相談してみると良いでしょう。
4.海上混載輸送(LCL)
さらに貨物の量が増えてきたら海上混載便(LCL)を検討しましょう。
これもフォワーダー事業者に依頼することで、コンテナ1本に満たない少ない貨物でもコンテナ輸送を利用できるようになります。フォワーダー事業者が複数の企業の貨物をまとめて1本のコンテナに仕立てて船便を利用するからです。
一般的に、貨物サイズが1M3(1エムスリー=縦1m×横1m×高さ1m)を超えると、AIRからLCLに切り替えるメリットがあると言われています。判断が難しい場合にはフォワーダー事業者に相談してみると良いと思います。
5.海上輸送(FCL)
もっと大きな貨物になったらフルコン(FCL)になります。
直接船会社にブッキングするのではなく、フォワーダー事業者に通関から輸送までを一括で任せるのがスムーズです。
LCLとFCLでは貨物の搬入先が異なりますので、きちんと業者さんと確認を取って手配を進めると良いでしょう。
以上が大まかな使い分けになります。
補足としてLCLとFCLの使い分けについてもう少しお話ししたいと思います。
最初にLCLからスタートして、物量が増えてきたらFCLの見積書ももらってみましょう。それをもとに運賃を計算してみてどちらが安いのか確認してみると良いと思います。
FCLより小さいサイズでも、計算するとFCLの方がコストが低く抑えられることがあります。
見積書をもとに計算する場合には、案件1件に対して発生する費用と物量に応じて発生する費用がありますので、注意して計算する必要があります。
不明点があればフォワーダー事業者に質問してみましょう。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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